『仮説力』竹内薫

●科学的に数値で比較することにより初めて事の真相が見える。

ex) 石炭、天然ガス、水力、原子力発電のうちで、一番安全なのはどれか?

1970~1992のエネルギー生産業における死者の状況
(ジェームズ・ラブロック『ガイアの復讐』)

燃料 死亡者数 テラワット年あたりの死者 死者
==============================================
石  炭 6400 342 労働者
天然ガス 1200 85 労働者と一般市民
水  力 4000 883 一般市民
原子力  31 8 労働者

→原子力が一番危険だ、という思い込み(仮説)に流されやすいが、科学的に分析してみると原子力が一番安全だ、という結論に達する。

●原因があって、結果があるというのは、ひとつの解釈にすぎない。結果と思われていたほうが、実は、原因のほうに影響を与えてグルグル回っている状況も結構ある。
→「原因と結果」は、いろんな事例のときに、最も気をつけなければならない発想パターン
⇒原因と結果というパターンはおいておき、リスク評価に徹する

ex) 二酸化炭素により地球の温暖化が進むかどうか、という原因・結果論はさておいて、万が一、その仮説が正しかったときに人類が受けるリスクを考えてみる
→将来的な損失額が世界各国のGDP総計の20%に上るという試算
⇒「万が一、起こってしまったら?」という「リスク評価」の発想に転換することにより、よりよい展開に持ち込むことが可能。

●見方を変えて物事を見てみる。するとそのものの見え方が変わります。でも、そのときに、何か変わらないものがあったとしたら、それは、その現象における本質的な部分ということになり、非常に重視すべき事柄だといえます。

●「科学力」とは、こんな単純な、古くから知られている余興((ウエイターのトリック))の背後に、特殊な数学的構造を見る「目」をもつことであり、また、それを実際のビジネスや日常生活における「直線思考の反省」として活かすことなのです。

●規則正しいネットワークだと、目的地に達するのが結構大変な場合でも、ちょっとした抜け道(近道)みたいなものをいくるか入れてやるだけで、すごく早く目的地に到達できるんです。

ex) 碁盤の目のようなきっちりした道路というのは、少し交通量が多くなると渋滞してしまいます。規則正しいが故に、抜け道がないものですから、どこかが詰まったら全部詰まってしまうのです。

●人々を納得させる議論に必要な数字は、ひとつに限られます。本当に情報を伝えたいと思ったら、「数字はひとつ」に絞るべきなのです。

●市場トレンドを読むのが上手な人というのは、最初に適度に多くの仮説をもっていて、その中から、より精度の高い仮説を導き出し、現実に合致するような脳内シミュレーションができる人というわけです。

●科学の基本は観察や実験を繰り返すことですが、そこに驚きや新たな発見がなければ、観察や実験を長く続けることはできません。驚きや発見が次のステップのエネルギーになるからです。一方で、自分の仮説が現実と合っている場合も、人は喜びを感じることができるでしょう。そういった驚きや新たな発見を数多く体験し続けることで、脳内シミュレーションは活性化し、その結果、精度を上げることができます。


<つながる知識>
複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線
ネットワーク科学の話で「小さな世界」という概念について

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