待ちに待ったホームでの試合。俺達のプライドの源である駒場。
ここでやればフットボールを最大限楽しめる。選手たちと一緒に戦って勝ちたい。希望を、期待を胸に、いつもの階段に陣取った。
だがそんな俺達の気持ちは踏みにじられてしまった。それもファミリーであるはずの選手達によって。
信じていた仲間に背後から階段下に突き落とされた気分だ。お前等にこの気持ちがわかるか?裏切られた俺のこの気持ちが。
毎晩終電まで残業して帰る忙しい日々。
仕事場の仲間にも何とか理解してもらって、スケジュールはすべて試合に合わせて組んでいる。今日も仕事をしなければならなかったが、駒場に行くために徹夜で朝まで働いた。すべては浦和レッズのファミリーの1人として戦うために。
それなのにあんな無様な姿を晒されるとは。それも駒場で・・・。
こんなふうにポッカリと心に穴があいたのは、99年ファイナル・ファイブ初戦の神戸ユニバ以来だ。
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試合後、何とか気持ちを落ち着けようとコルソ裏でコーヒーを飲み、店を出ようとしたところで坪井が店に入ってきた。
グッとこみ上がる感情を押さえながら奴の目を見つめる。向こうもすぐに俺達の格好に気づいたようで、一瞬、目が合った。
「お前等にはただの1試合かもしれないが、俺達には特別な試合だったんだ。例えルーキーでも浦和でプレーするからには、歴史、誇りの重みを感じてプレーしなければならない。わかっているのか?」
そんな想いをぶつけながら無言で横を通り過ぎる。その時の俺は「今にも坪井に殴りかかるかと思った」と言われたほど厳しい顔をしていたらしい。
神戸での試合、ピッチの上でお前の気持ちを示してくれ。


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