1998年3月アーカイブ

開幕2戦目、どでかい新横浜のグラウンドに集まったのはたったの2万4千。アウェイのわれら浦和側ですらスタンドは埋まらず、ゴール裏中央にサポーターを集める始末。お忍びで単身のり込んだ前節と変わって、今回は連れをともなってゴール裏で声を張り上げる。

試合開始早々に守備陣のつまらないミスで2,3の決定機を与えてしまうも、相手の稚拙な詰めに助けられ、ため息。この試合もやはり守備に不安が絶えない。特にアルフが精彩を欠き、判断ミスから何度もバックパスを繰り返すシーンが見られた。

そんなDF陣で一人気をはいたのが暢久。Fの三浦淳とのマッチアップに気合いが入ったのだろう。三浦から常に一定の距離を置いて誘い、そこにパスが出ると小気味よいダッシュからパスをカットし、ペトロにつなぐ。先制点もそんなしたたかなディフェンスから生まれた。前半16分、パスカットから一気にドリブルで駆け上がる暢久。相手2人が寄せてきたところで、ゴール前、GK楢崎とDFのちょうど真ん中へ落ちるアーリークロス。絶好調大柴が見事にゴールへ叩き込んだ。久久に見る、暢久最高のプレー。最近の落ち着いたディフェンスもいいが、「サポーターをはらはらさせながら、右サイドを生き生きと駆け上がる暢久」。これだな、やっぱり。

Fのほうは、サンパイオの欠場がいやにでかく、ミウラアツを封じられると何も出来ない。山口が前に出てきたり、後ろに下がったりして工夫してたけど、ほとんど怖さはない。怖いのは浦和DFがくだらない連携ミスや判断ミスをした時だけだった。これと反対に浦和は小野がよく動いてパスコースを作り 何度も決定機を迎えるも得点できない状態が前半30分過ぎから後半へと続く。チャンスをなかなかものに出来ない大柴が頭を抱える。

小野の頑張りとは相対的にチキの運動量がみるみると落ちていく。ポジショニングが悪くなり、左サイドからの崩しはほとんどなくなった。我々の中からも「チキ走れ!!」 の檄が再三にわたってとぶ。土曜日に続いてのゲームということでコンディションが悪かったのだろうか。これからもこのような状況になるのであれば、後半の早い時間から彼に代えて、この試合J初登場を果たした石井、あるいは福永を一つ前にして堀といった選手起用を考える必要がありそうだ。スポーツニュースで何度も映し出されたように、小野とダイレクトでのコンビネーションがあるだけに、チキの今後の奮闘を期待もしたい。

そうした状況を打開したのも小野だった。なぜかノーマークでトップのポジションにいた小野へ縦パスが通る。オフサイドフラッグは上がらず、GKと1対1。何の不安もなく右隅に転がしたボールが記念すべき J初ゴール。 「福田得点王(タイ)決定in等々力」にならぶ私の歴史的証人シリーズ第2弾となり感無量。もう引退するまでついていってやる!!

こうして新横浜初見参は2-0で快勝。ワールドカップ2002に向けて「ファイナルさいたま!」「けっしょうウラワ!」の合唱。まずは先制のアピールとなった。ゲーム後、アウェイでのホームのようなサポートに感激したか、ペトロが喜びを爆発させる。やっぱりうちは最高だとあらためて思った。

ついに開幕!「浦和レッズの幸福」を読み、昨年のイマイチなムードを忘れてまだかまだかと待ち望んだJリーグが始った。今回の開幕観戦が95年からのサポート活動の中で初めての「聖地巡礼」。駒場の競技場は、私の人生にとってかなり重要な場所で、小学6年のとき初めて出場した公認の陸上競技大会においてリレーで優勝し、その後の陸上人生を踏み出した競技場なのである。昔はこじんまりとしたホームスタンドだけで、回りは芝生であり、のどかな場所だった。改装後も何度かトラックで練習し、そんなに高揚感みたいなものはなかったが、この日は2万近いサポーターでスタンドが埋まり、まったく異なる雰囲気を醸し出していた。KickOff時の紙テープによる演出には本当に感動した。これは球団寄贈の紙テープを利用してのものだそうで、球団側は我々サポーターの存在の重要性をよく知っている。(市原のサポーターをリードしていた人は、自らの撒いた紙ふぶきを集めながら、「向こうは球団支給だからいいよな」ともらしていた。)

さてこの開幕戦、何といっても注目は小野伸二。マスコミではフル代表入りも近いと騒がれている。私はこれまで彼のプレーぶりを見たことはなかったが、やはり優れたスキルを持っているようだ。驚いたのはキック動作の速さと自在さ。パスと判断した場面ではどんな体勢からでも蹴ってくる。そしてキック動作にかかる時間がすさまじく速い。何度かダイレクトパスも見せたが、それもきちんとパスとして生きたボールとなっていた。しかし各方面の指摘のとおり、小野と他のプレーヤーとの間にはイマジネーションの差が見られるようだった。小野がスルーパスを出したところにまわりが走り込んでいなかったり、逆にまわりが走り込もうとしているところと別のスペースにパスを出したりしてしまう場面が目立った。

このゲームでもっとも印象に残っているのはペトロビッチの右サイドでのプレーぶり。現役ユーゴスラビア代表であるペトロのプレーも今回はじめて見たが、前への積極性よく表れていて楽しむことが出来た。スペースをねらってどんどん前へ飛び込んでいくし、ボールを持てば縦へのスルーあり、また自ら中央へ切れ込みも非常にタイミングが良く、パワフル。小野への注目が集まる中で、相対的に楽に動けるペトロが自由きままにゴールを狙ったプレーを見せてくれれば、今年浦和が目指す攻撃サッカーも実現できるだろう。(本来なら暢久にこのポジションで活躍してほしいのだが。)

またアルフのプレーも生で見たのは初めてだったが、身体能力の高さがダイビングヘッドでの先制点の場面に表れていた。最終ラインでのディフェンスでも当たり前のように敵の攻撃をはね帰していく姿は安心して見ていられる。しかし4バックのディフェンスで安心できるのは彼一人。他の3人については不満の残る内容だった。特に一番の不安の種は田畑。去年はギド、バジールといった絶対のDFと組んでいたので、その指示に従って、自分の仕事だけに専念できる状況にあったが、今年はそうは行かない。CBとして常に最終ラインのバランスを保つポジショニングを自分で判断しながら、相手オフェンスのチェックをしなければならない。そのため実際のボールチェックに集中できていないようで、なんとかチェックしてボールをカットしても、そのあとの前方へのフィードがまったく意図のないものになっていた。サイドバックの2人もいまいち納得のいかないプレーが多かった。土橋は相手のライン際でのアタックに対するチェックや後ろのスペースに蹴り込まれた時の対処も不安げである。暢久はそのような場合の対処はいいものの、前へのパス出しに積極性が感じられないし、持ち味のオーバーラップもほとんどでなかった。

この試合、監督が言うように全体として前向きにプレーしており、失点はあったが盛り上がったゲームになった。今後ディフェンス面の課題もあるが、今年1年このように楽しめるゲームを展開してくれることを期待したい。自分も前向きにインタビューででしゃばってしまった原監督の言葉も信じて、1年間サポートを楽しんでいこうと思う。

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