ホームで開幕を迎えた、我らが浦和レッズ。左足からいくつもの魔術を披露してくれた、ウーべ・バインがチームを去り、新たな戦力としてディフェンシブハーフを務めるオーストリア代表バウアーを迎えた。さらにルーキーコンビのDF田畑とFW永井がスタメンを飾り、いつにも増して真紅に染まり上がったスタジアムの中での新たなスタートとなった。
理想の展開は、早い段階でのプレスから中盤でボールを奪い、バウアーあるいは土橋がサイドにボールを散らして岡野と永井へのスルーパス、またはサイドからのクロスを落としたところを2列目の堀がたたく、というのを想像していた。また相手のマリノスは去年までは井原から縦1本という単調な攻撃で、特にディフェンスに問題はないように思われた。
しかしいざ試合が始まると、この理想の展開を逆に相手にやられて簡単にサイドからのオーバーラップを許し、何度もピンチを迎える状態。そんな不安定な状態の中、9分には城にバックラインがつられたところの裏をつかれてもったいない失点。そして24分にはハーフライン付近までラインを上げていた裏に城に走り込まれてさらに失点。あまりにも簡単に裏をとられて走り負けるディフェンス陣。なぜかこの日はギドがバジールが簡単に抜かれてしまうような場面が多かった。一体どうしたというのだろうか。だいたい前述のようなカウンター気味の速い展開をつくるにはベースとして堅い守備が存在していなければならないのに。
そういうわけで前半はやられ放題だったわけだが、一人気をはいたのがルーキー永井。堅実なボールキープからの果敢なドリブル突破には、「こいつはすげー!」の連発。代表チームのディフェンスの要である井原、小村といった連中をいとも簡単に切り崩していくプレーは痛快だった。前半最後のプレーでもペナルティーエリアぎりぎりの地点でもらったボールを、一度内側に切れ込んでシュートと見せかけてサイド側に切り返して井原を置き去りにしたところでシュート。これはミートしなかったが、岡野がきっちりつめてフィニッシュ。この終了間際の得点が後半の良い展開につながった。
後半は精彩を欠いていた杉山に代えてFWの大柴を投入しての3トップ。このケッペル新監督の大胆な作戦に最初は、いきあったりばったりでうまく機能しないのではないかとはなはだ疑問であった。しかしこの攻撃的布陣が大当たり。3人のうち1人が少し下がり目の位置でボールを受け、ためをつくって縦横に流す戦法が見事にはまった。さらにバウアーがうまく流れに絡み始め、後半は完全にレッズペース。そして岡野の突破から得たほぼ正面のフリーキックを、バウアーがちょこんと浮かせたボールを堀がダイレクトでボレー。これが壁の間をうまく抜けて同点ゴール。それからレッズが再三のチャンスをつくりながら決定打がでない状況となり、もはや逆転は時間の問題で、この試合はもらったと思ったが甘かった。攻め続ける展開からふっとディフェンスラインの裏に縦のロングボールが蹴り込まれ、またしても城のスピードについていけずに、あっさりと失点。その後もいい形から堀のミドルやギドの強烈なヘッドが飛び出すも、ゴールに嫌われた。そしてタイムアップ。ついに勝ち越すことはできずに終わった。
後半は実にいい試合を見せてくれたが、それではなぜこれが前半からでないのか。厳しくいえば、何かきっかけがないと自分たちのペースがつくれないのは去年と変わっていない。確かにこの試合はマリノスのほうが出来過ぎという感じはあるけれども、前半からもっとボールを追いかけて激しいチェックでボールを奪う気迫がでていれば、早い段階で自分たちのペースにもっていけたのではないか。去年のオジェックは上位4チームが目標といっていたが、今年は優勝を狙うチームであると私は思っているし、レッズにはそれだけの力があると信じている。おもしろい試合ではあったけれど、こういう試合をものにしてこそ優勝が見えてくると思う。
ルーキー永井を見習って次は前半からもっとアグレッシブなサッカーを期待したい。とくに今回のディフェンス陣はちょっと情けなかった。リーグ最小失点というタイトルは今年もとってしかるべきなのであるから、今回のような点の取られ方はもう見たくない。とにかく走り負けないサッカーを期待しよう。

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